オランダ、ハーレムより。日々のうつくしさ。子どもとたのしいこと。


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もうこわくない

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オランダは土地が低く昔から洪水に悩まされていること、また国のあちらこちらに運河や川があるもの柵がない場所も結構あるので、身を守るため、オランダのほとんどのこどもたちは、4歳で小学生にあがると水泳の資格試験をとるためにスイミングに通い始めます。この水泳資格には易しい順からディプロマA、B、Cがあります。例えばうちの近所に柵のない小さい運河があるのですが、どの親も、「少なくともディプロマAをとったら水のまわりで遊んでもいい」と子どもたちに約束します。

Yは、5歳の誕生日を迎えてスイミングに通い始めました。元々、水が怖かった彼は、初日の日は泣き叫んで、レッスン中プールサイドに一人でうずくまっていました。スタート時点から先が思いやられました。スイミングのたびに泣き続けるY。数ヶ月後にやっーーと慣れて、なんとか通っていました。水のある公園でさえこわがっていた彼が、浮き具をつけずに平泳ぎをできるようになったこと、洋服を着たまま、飛び込みができるようになったこと自体信じられないことで、充分がんばっていると思われていたのですが、数週間前にまた泣き始めたのです。朝から晩まで、スイミングのことを思い出すと「先生がこわい」「もぐるのがこわい」「めをあけられない」「いきたくない」と。。。。。聞くと「とびこみをして、数メートル潜水をして、障害物をこえること」、また「飛び込みをして輪っかの中を通りぬけること」ができないらしいのです。

あと2ヶ月でスイミングをはじめて、1年間。オランダではスイミングは身を守る為、必須なこと、もう少しでディプロマAを受けられること、水泳が終わったら、サッカーでも柔道でもダンスでも好きなものを習ってもいい、と伝えても泣き止みません。

あんまりにも「行きたくない」と泣く回数が多くなってきたので、先生に相談したところ、プライベートレッスンを一度してもいい、でもYの場合、できる、できない、ということより、「したくない/いきたくない」という精神的克服をしなければ、先生たちにできることはない。スイミングにくる50%の子どもは12ヶ月でディプロマAを受ける招待をもらい、あとの50%は、15ヶ月後。Yは、あと3ヶ月待ってもいいのでは、と言われました。

私たちとしてはディプロマ取得を急ぐ必要もないのだけれど、とにかく泣きじゃくりながら通う息子と接することがつらく、とにかく、Yともう一度おだやかに話し合ってみました。そしてその日、はじめてひとりで潜水から輪っかの中をくぐることができたのです。しかもレッスン後に、「できなくても、できても問題じゃない。どりょくすることがだいじ」だと笑っているではありませんか。

そして翌日、プライベートレッスンを受けると伝えると、はじめは「なんで?ぼくひとり?」とけげんそうな顔をするも、「あーたのしみ!もうこわくない!できなくてもできてもいいんだよね!?」という。このかわりようったら!!!!

そしてプライベートレッスン当日。先生は厳しい顔で、「このレッスンをしたからといって何の保証もできません」と。改めてどきどきするも、私にとっては、Yが泣かずにスイミングにこれた、ということだけで大進歩でうれしかったのです。そしてレッスン中、なんと、全てのタスクを難なくクリア。あっけなく、「これだったら来週の仮試験にいけます」と招待状を頂きました。

一体この数週間はなんだったのだろう。毎日泣いていた彼はふっとんでしまったようです。

改めて今までの会話をふりかえってみると、<変わる前>は、泣くたびに、彼はよく努力している。上達している。こわがる必要は何もない。とだけ伝えてきた。でも、<変わった日>の前に話したことは、できない、ということことは何でもない、ピアノだって音符を読むのが難しかったけれど、今は読めるようになったし、野菜もたくさん食べられないものがあったけれど、今はほとんど食べられる。なんでも、練習して慣れてくればいつかは乗り越えられるかもしれないこと、そして乗り越えられなかったとしても、それは問題ではなく、乗り越えようとがんばることがすばらしいということ、それにどのこどもたちも得意なことや得意でないことがそれぞれ違ってそれがいい、という事を丁寧に話した。そしてディプロマをとれば、夏には友だちとプールや海でパパとママの助けなしに泳げる事、近所の川でも遊べる事、なんでも好きな習い事をしてもいいこと、ディプロマBをとらなくてもいいこと、と楽しい未来のイメージの話と同時に、ディプロマをとらずに、水のそばで遊んでいる時に、何かあったら死にいたるかもしれないほどこわいこと、だというまじめな話もしました。

いやはや、日々心の余裕もなく、子どもとの対応ひとつ、適当にやり過ごしているものですが、このスイミングの一件で改めて、丁寧に子どもと対応す/会話をする事ってだいじだなあと思いました。

*スイミングスクールによっては、週に3時間の集中レッスンで、3ヶ月で、あるいは週に2度のレッスンで6ヶ月でディプロマを取得できる場所もあるそう。水がこわかったYにはそういったチョイスも考えればよかったなと思いました。
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by sooona | 2014-03-17 20:11 | with kids こどもと